タイトル:呪いの言葉の解きかた
著者:上西充子
この本には呪いの言葉を認識して対抗するためのヒントが書かれているのですが、問題発見解決力を鍛えるためのヒントと言っても差し支えありません。
このサイトを訪れている方は問題発見解決力に興味あるのだと思いますが、この本、お勧めいたします。
それぞれの言葉についての簡単な説明とそれがどう問題発見解決力を鍛える事と関連するのかを書いてみたいと思います。
「呪いの言葉」
支配(維持)したい側から発せられる意思や行動を制限する言葉です。「嫌なら辞めればいい」「母親なんだからしっかりしなさい」「デモなんかやっても意味がない」などが該当します。
呪いの言葉であることを意識するには、自分とその取り巻く状況を俯瞰してみる必要があります。俯瞰してみて構造がつかめてくると、その構造のおかしさが見えてきて呪いの言葉であると認識できます。
これは問題発見解決のプロセスでいうと、問題の構造を認識するということになります。これができないと場当たり的な解決策になってしまうことが多く、問題の根本的な解決に至りません。
どんな問題であっても一瞬でも立ち止まって俯瞰してみるということはとても大事なことです。
「灯火の言葉」
呪いの言葉とは逆に、他者に主体的な言動を促す言葉です。英語だと empowerment になります。もう少し具体的に言うと褒めたり今を認めるような言葉です。
これに関しては個人に寄り添った言葉が該当するので、一般的な言葉は存在しないと思います。「いつもありがとう助かるよ」は普通なら灯火の言葉なのでしょうが、さんざん残業させておきながら言われても活力はわきませんよね。
これはグループで問題解決を行う際にとても重要となります。グループのメンバー全員がお互いに相手に活力を与えて主体的な言動を促せば、問題の解決に向けて急速に前進することになります。
一人であってもこのような言葉を与えてくれる人が他にいれば、くじけることなく問題解決に取り組めます。
「湧き水の言葉」
呪いの言葉と逆であることは灯火と同じですが、呪いから自らを解き放つような言葉です。他人から与えることはできず、他人の湧き水の言葉も参考にしかなりません。灯火の言葉で元気付けられながら諦めずに呪いに向き合うことで自分の中からいつか湧いてくるものです。
問題解決では問題の構造を把握しただけで終わりではなく、解決に向けてどうするか考えて、問題を解決するための指標(鍵)を生み出します。それに当たります。
問題が難しければ生み出すまでに時間がかかることもあるでしょう。でもいつか生み出せると諦めずに問題に向き合うのがとても大事です。
いかがでしょう、伝わりましたでしょうか。問題解決で苦しんだり行き詰まっているかたには改めてお勧めいたします。
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