創造力の一つである問題発見解決力。伸ばすことは可能ですが、漠然としすぎていてよくわかりません。
そこで、問題発見から解決までの過程ごとにどんな能力や心構えが必要なのか挙げてみます。
動機・目的
まずはじめは動機です。内から湧き出す想いが問題解決の始まりで原動力です。
日々の生活で、気になったことや嫌だったこと、もっとこうしたかった、変えたかった、などといった心の動きが何かなかったか探します。細くても構いませんが、自分と直接つながりのある範囲で考えましょう。
想いを無意識に押さえ込んでいる可能性があるので、実現できるかどうかみたいなのはひとまず置いておいて、心に静かに問いかけてみましょう。
人間は全知全能では無いので、絶対に何かあるはずです。
そうして出てきた想いに対して、そう想うようになった原因や要因を明らかにして、どうしたらその想いを果たせるのかを考えます。
これが目的となります。動機から直結させないのがポイントです。想いを分析してください。
例
自分の想いを素直に出す | 提出物を忘れたり期日に間に合わせられなくて怒られる、すごく嫌だ |
---|---|
自分の想いを分析する | 予定の管理ができてないのが原因のようだ、管理したい |
問題の把握
動機・目的がはっきりしたら次はその実現に向けて具体的に動きます。
まずは実現に向けて、今どういった状況でどんな問題が存在し、問題の構造はどうなっているのか、そして何が重要で根本的な問題なのか、を掴んでいないといけません。
普通は問題は複数あって、それをさらに細かい問題に分解していきます。
それぞれの問題は別の問題から発生しているかもしれないので、なぜその問題が発生しているかまで考えます。
細かい問題に着目したり、逆に俯瞰的に全体をみるといった事を繰り返します。
自分の弱点や嫌なところも見えてくるかもしれませんが、あくまで客観的に構造を把握します。
問題の構造が把握できたら、取り組むべき問題をリストアップして何ができたら解決なのかの指標と達成値=目標を決めて、優先順位をつけます。
目標は具体的でなくてはいけません。数字で表現できればベストです。
例
自分を取り巻く状況を客観的・俯瞰的に捉える | プログラミングは体験したことあるけど、独力でアプリ作るのは厳しい。 |
---|---|
問題の構造を把握する | アプリを作ることが難しいのは、プログラミングスキルの不足とそのために使う時間が不足しているせいだ |
重要な問題を探し当てる | アプリと予定の管理ということについて、それがどういうことかわかってない |
どの問題に取り組むかを決める | 1.プログラムスキル、2.予定の管理の知見、3.アプリの設計・・・ |
目標を決める | 簡単なアプリを24時間で作れるようになる |
解決方法を考える
取り組むべき問題がわかったら次はどうやったら解決できるのかを考えます。
問題ごとに設定された目標を達成するためには何が必要か(要因)を抜き出し、達成すべき事(要件)を決め、具体的な行動(手段)に落とし込んでいきます。
一つの問題に対して複数の解決方法を思いつくかもしれません。いえ、思いつくのがむしろ普通でしょう。その時は解決にかかる労力や実現性(制約)を考慮して取捨選択します。答えは一つとは限りません。
もし考え出した解決方法が他人を傷つけるようなものであれば、選択すべきではないでしょう。
また、とにかくスピードを重視したいなどの方針がある場合はそれにしたがって取捨選択をします。方針も制約の一つと言えるでしょう。
考えていくうちに、今の自分では解決できないことが見えてくるかもしれません。その場合は他人に協力の依頼を検討します。
自分一人でできることであっても他人に意見をもらえれば、より良くなる可能性があるので話してみるのも良いでしょう。
この段階で、一度では目標を達成できない事に気づくかもしれません。その場合は、目標を段階的にして第一の目標を達成することを考えます。
例
手段に落とし込む | プログラムスキルで以下を習得する:画面遷移、データ保存、リストコンポーネント… |
---|---|
複数の解決方法から選択する | 時間もあまりないし、オンラインでプログラミングを学ぶのが最適のようだ |
他人に協力を依頼 | みんな予定の管理をどうしているのか聞いてみよう |
他人から意見をもらう | アプリの機能考えたけどこれでいいかな?友達に聞いてみよう |
解決方法の実現
解決方法を考えたらその方法を実現させます。
これまでに取り組んだことがないことですから、最初に考えた方法がぴったり当てはまる、なんてことはありません。
試みた結果を冷静に分析して修正という事を繰り返し、適切な解が出るまでやり抜きます。
この段階で足りないものに気づいたり、そもそも問題の設定が間違っていたと気づくこともありえます。その場合は問題の把握まで戻ります。
以前とは状況が変わったので見直しが必要になることもありえます。
今まで築いてきたものを壊して1から作り直しということもありえます。
また、今の状態ではどう頑張っても無理な解決方法は諦めて別の方法を探したり、その問題の解決を諦める必要があるかもしれません。
例
結果を冷静に受け入れて分析する | プログラミングのスキルが思ったより伸びないので完成が遅れている。何か問題はないだろうか。 |
---|---|
適切な解が出るまでやり抜く | 実際に作ってみた機能が実はあまり便利じゃなかったので考え直そう。 |
別の解決方法を模索する | このアプリはScratchで作るのは無理だからJavascriptにしよう |
全体を通して
答えはどこかにあるのではなく、自分で生み出すという姿勢が大切です。
途中で何かに気づいたり思いついたりするには、心に余裕が残っている必要があります。少なくともちょっと脱力する時間が欲しいものです。
常に解決のために、何かを学んだり注意深く周りを見ることは、成功の確率をあげます。
自分の個性を積極的に活かせばより効率的に問題が解決できるでしょう。
好きなことや愉しいことに対してはより大きな力を出せますが、これも活用すればより良いものが生み出せるはずです。
伸ばすべきことが多い?
問題解決発見能力を伸ばすために必要なことを並べてみましたが、はっきり言って多いです。
一つの内容ごとに本が1冊書けるのではないでしょうか。
しかし、どれもこれも完璧にする必要はないですし、そもそも限界はないので完璧もありません。
一度に全てを伸ばす必要もありません。一つずつ伸ばしたっていいんです。
大事なことは、問題解決発見能力を発揮するために何をすべきかを知っていて、実践し続けることです。
コメントを残す